- 台湾 仕入れ紀行
- 台湾 仕入れ日記 2011
中国政府公認高級茶芸師・高級評茶員の店主がセレクトするプレミアムな台湾茶・中国茶・茶器をお届けします。
台湾 仕入れ日記 2011
最高級のお茶が仕入れできました。
8月7日~10日まで南投縣にあります、今まで幾度も賞をとっています許制茶師の茶園・製茶工場を訪ねました。5月にも春茶の仕入れに来て今年2回目の仕入れとなります。
大切なお客様に飲んでいただくわけですから茶園の状況(農薬は最低限か、肥料は有機肥料か)香り・味のチェックを行い満足のいく茶葉のみを仕入れてきました。
台北に到着後山に入る前に美味しい台湾料理を堪能しました。
スタミナをつけて頑張らないと!
山に入る前に食料を調達!南国の果物がいっぱい!
どれにするか迷ってしまいます!
今回は台湾茶の高級茶の代表「大禹嶺高冷烏龍茶」の産地大禹嶺地区まで足を運びました。ここでの標高は2,300m手前が茶畑、転々と見える家が製茶工場です。
一日に何回も茶畑に霧がかかり、甘味が詰まった茶葉に育っていきます。
茶葉の状態を確認してます。天然有機肥料(大豆を発酵させた肥料)を使い、雑草も全て手で取っていました。まさに手塩にかけた茶葉です。
急な茶面での茶摘みと製茶工場がみえます。
今では茶摘みもベトナムやフィリピンからの出稼ぎの人が大半を占めます。
今日から作業場に寝泊まりします。とても快適でした。
料理を作ってくださるお手伝いさんと許製茶師。とても山の中とは思えない美味しい料理を作ってくれました。
摘んできた茶葉を日当たりの良い部屋で水分を飛ばします(重そう!)。
摘んだばかりの茶葉はまだ青い香りがします。
更に茶葉を湿度調整された部屋に移し水分を飛ばします。
何度もコンテストで賞を取っている許製茶師と茶葉に含まれる水分量をチェック。
次に竹で編んだ大きな筒に水分を飛ばした茶葉を入れ、回転をさせながら徐々に発酵さて行きます。
発酵の時間は茶葉の様子を見ながら15分~17分。今回一緒に参加していただいたお客様のKさんと話をしながら待っています。
次に丸い竹のザルに移し更に3時間程放置します。その間も自然発酵は続いています。
ちょっと一服!甘い水蜜桃で疲れがとれます。
炒青の工程です。これは発酵を止める為に行います。時間にして8分~11分。
窯の中は300~350℃、茶葉の乾燥状態を素手で確認しています。職人さんにしかできない、難しく、また熱い仕事ですね!
窯から出し粗熱を取ります。
粗熱が取れたら白い袋に26kg分の茶葉を入れ、いよいよ揉捻工程です。
茶葉の形を作っていきます。袋の上から軽く押しながら上下の円盤が回って茶葉が丸くなります。
丸くした茶葉をまた広げて行きます。丸くしたり広げたりする工程を4回繰り返し、少しずつ丸い茶葉に近づきます。
左が丸くなる途中の茶葉、右が広がった時の茶葉。
次に乾燥の機械で茶葉の水分を飛ばして行きます。更に茶葉の味を確認しながら揉捻の工程と乾燥の工程を5回繰り返し、さらに熱による乾燥のみを5回繰り返し、水分が5%以下になったら完成です。
手間と職人の五感で仕上げた最高の茶葉の出来あがりです。
早く飲んでみたいよ~!!
朝露と大禹嶺高冷茶葉。
今回の仕入れの旅でなんと大禹嶺の高山にウンカがやって来ました。茶師の許さんもここの茶畑でウンカを見るのは初めてだそうです。ホントにラッキーでした。
ウンカが噛んだ茶葉は独特の旨味のある茶葉になり、10月ごろには大禹嶺有機蜜香茶ができあがります。もちろん買い取りの予約はしました。
お楽しみに!!!
今回お世話になりました製茶場の皆さんと梨山をバックに記念撮影
今回の台湾での仕入れた茶葉は今までにない最高の仕上がりになっています。
是非、台湾の大自然の恵みと職人の技が生み出したお茶を召し上がってみてください!
もっともっと良いお茶と巡り会いたい今日この頃です。
宝蓮華店主 榎本 直美